コールドリーディングは、占いやカウンセリングでも用いられる技術・話術です。
ホットリーディングのような事前調査は一切せず、相手の表情や立ち居振る舞いなどを参考にして、巧みに話術を進めていきます。
占いはもちろんのこと、仕事(営業・接客)や恋愛でも活用できるテクニックですね。
内容をざっくりまとめると
- 冷静さ・洞察力・観察力などが必須
- もちろん、相手から信頼してもらう必要もある
- 信頼してもらうには第一印象がとても重要
- 事前調査は不要だけど、あなた自身の準備は必要
- 「相手への気配り・優しさ」が大切
コールドリーディングの代表的なテクニック13選
【この項目のポイント】
- 観察
- 気持ちを整える(マインドスクリプト)
- 第一印象を良くする(メラビアンの法則)
- 相手に信頼してもらう(ラポールの形成)
- 対極を使い分ける
- 誰にでも当てはまることを言う(バーナム効果)
- 二者択一の質問をする(ダブルバインド)
- イエスを引き出す(イエスセット)
- 曖昧な質問をする
- 褒める・おだてる
- 不満・愚痴を引き出す
- さり気なく相手の弱点を指摘する
- 弱点をふまえた上で相手の才能を認める
コールドリーディングは、ホットリーディングのような事前調査をする必要はありません。
対象者の本名をGoogleで検索する、Facebookやブログ記事・画像をチェックする…などなど。
ちなみに、ホットリーディングについての解説ページがこちらです。
▶▶【ホットリーディングのやり方】営業や恋愛などへの活用法
では。
前置きはこれくらいにして、コールドリーディングのテクニックを詳しく見ていきましょう。
1.観察
まずは相手(対象者)の観察から始まります。
いきなり心の奥底を読み取るのは難しいので、わかりやすいところから情報を拾いましょう。例えば…
- 年代
- 表情・人相
- ファッション・身につけているもの
- 立ち居振る舞い・仕草
- 話し方・口癖・言葉遣い
などがあげられます。
ちょっと疲れてる表情をしていたり、小さめの声、低めのトーンで話していたら「最近、何か悩んでいることがあるのかな〜」とか。
派手なファッションやハイブランド品を持っていたら「みんなからチヤホヤされたい願望があるのかな〜とか。
性格・思考・現状などを、ある程度でいいので推測してみましょう。
2.気持ちを整える(マインドスクリプト)
観察力・推測力が身に付いたら、次のテクニックは「気持ちを整えること」です。
感情に流されないのは当然ですが、自分に自信を持つことも必要です。
- 間違っていたらどうしよう…
- 逆ギレされたらどうしよう…
- 泣かせてしまったらどうしよう…
このような自信のなさは、間違いなく相手に伝わります。
立場が逆転してしまうと、コールドリーディングを進めることができなくなります。
なので、相手と会話をする時は、ガラス越しに話すイメージをするといいですよ。
(看守と囚人が話すイメージでもOK)
こうすることで、相手のペースに飲み込まれにくくなります。
3.第一印象を良くする(メラビアンの法則)
コールドリーディングをするうえで「事前調査」は不要。
ですが、事前準備は必要です。
その事前準備が「第一印象を良くすること」です。
なぜ第一印象を良くしなきゃいけないのか?というと、メラビアンの法則が関係しているからです。
【メラビアンの法則とは?】
- 3Vの法則(Verbal:言語、Volac:聴覚、Visual:視覚)とも呼ばれる
- 7・38・55ルール(言語:7%、聴覚:38%、視覚:55%)とも呼ばれる
これがどういうことなのか?と言うと…
まず見た目で判断される。
(この人なら信頼できそう、安心できそう、何でも話せそうなど)
そして、話し方や口調、声のトーンによって、その人の印象がほぼ決まる。
ということ。
裏を返すと、見た目や話し方でマイナス印象を与えてしまうと、コールドリーディングを進めるのがかなり難しくなります。
4.相手に信頼してもらう(ラポールの形成)
第一印象の壁をクリアしたら、次は心の壁が出てきます。
心の壁を乗り越えないと、相手の会話を引き出すことができません。
では、どうすれば心の壁を超える(心を開いてもらえる)のか?というと…
ラポールの形成です。
※ラポールの形成とは?
ラポール=親密な関係、信頼関係
あなたと相手の間に信頼関係がある状態=ラポールが形成されている
そして、ラポールを形成するために用いられるテクニックが下記の通り。
- ミラーリング:共感・協調、表情や仕草を合わせる
- ペーシング(ペース合わせ):話すスピードを合わせる
- バックトラック(オウム返し):相手が発した言葉を繰り返す、会話の内容を要約して返す
度を越すと鬱陶しいと思われるので、やりすぎには注意が必要ですが…
一方的にならず、相手のペースに合わせることを意識しましょう。
5.対極を使い分ける
対極を使い分けるってどういうこと?
と思うかもしれません。
簡単にいえば「アメとムチの使い分け」です。
ちょっとテクニックが必要なので、練習(訓練)が必要ですが…
例としては、
- 普段は人見知りしないで誰とでも仲良くなれるけど、内気になって人付き合いが疲れることもある。
- 盛り上げるために元気キャラを演じてるけど、本当は暗いところもあるよね。
- エリートって思われてるけど、誰も見てないところで努力してるよね。
という感じ。
光と影、陰と陽はセットというイメージをしてみましょう。
6.誰にでも当てはまることを言う(バーナム効果)
Wikipediaに書いてあるバーナム効果には、このような一文があります。
- あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にあります。
- また、あなたは弱みを持っているときでも、それを普段は克服することができます。
- あなたは使われず生かしきれていない才能をかなり持っています。
- 外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になる傾向があります。
- 正しい判断や正しい行動をしたのかどうか真剣な疑問を持つときがあります。
- あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。
- そのうえ、あなたは独自の考えを持っていることを誇りに思い、十分な根拠もない他人の意見を聞き入れることはありません。
- しかし、あなたは他人に自分のことをさらけ出しすぎるのも賢明でないことにも気付いています。
- あなたは外向的・社交的で愛想がよいときもありますが、その一方で内向的で用心深く遠慮がちなときもあります。
- あなたの願望にはやや非現実的な傾向のものもあります。
アメリカの心理学者(バートラム・フォア)によって行われた心理検査の結果が翻訳されているので…
日本語としてはちょっと読みにくいですよね。
ざっくり要約すると…
- 承認欲求があるけど、自分を批判してるよね
- 自分の弱さを認めたうえで、向上心を持ってるよね
- 自分が下した判断が本当に正しかったか?迷うことあるよね
- 人と話すのは嫌いじゃないけど、話しにくいこともあるよね
- 高い理想・目標があるけど、現実的じゃないものもあるよね
…という感じ。
誰にでも当てはまりそうですが「これ、私のことじゃん!」と思ってしまいがちです。
7.二者択一の質問をする(ダブルバインド)
二者択一の質問をする(ダブルバインド)テクニックは、普段目にしているCMでもよく使われています。
AとBどっちにする?という感じ。
もっと具体的に言うと…
- 甘いチョコと苦いチョコ、どっちが好き?
- 5日と10日だったらどっちがいい?
- パスタとピザだったらどっち食べたい?
などなど。
最終判断は相手に任せるけど、選択肢はこちらが提案するという戦略です。
8.イエスを引き出す(イエスセット)
人って不思議な生き物で、最初にイエスと言えば、その後もイエスと言いやすいです。
反対に、最初がノー(いいえ)だったら、その後も一貫してノーと答えやすく、イエスに切り替えてもらうのが難しくなります。
つまり、最初はとにかくイエスと答えてもらうことが大事。
例えば…
- 今日は暑い(寒い)ですね
- 今日はいい天気(どんより、雨が強い)ですね
- こんな天気だと出かけるのも面倒になりますよね
- でも、ずっと家の中にいると息苦しくなりますよね
- 息苦しさを解消できる運動があるんだけど、試してみない?
という感じ。
どんなくだらない・簡単な・シンプルな質問でもいいので、相手が「イエス(はい)」と答えられる質問を投げてみましょう。
9.曖昧な質問をする
曖昧な質問をする=誰にでも当てはまる質問をすること。
バーナム効果と似ていますね。
「始めようとしているけど、まだ始められていないことがありませんか?」
「友だちから批判される、嫌われるのが怖くて、セーブしてることってありませんか?
「周りと比べて自分なんてまだまだ…と落ち込んでいませんか?」
などなど。
曖昧な質問ってストライクゾーンが広いので、多くの人に当てはまるんですよね。
冷静に考えると「これ、私以外にも当てはまるじゃん」と思いそうですが…
ちょっと薄暗い占いサロンで、占い師と2人きりでこんな質問をされると「この人、スゴい」となってしまいがちです。
10.褒める・おだてる
褒められて嫌な気分になる人はいません。
「いろいろなとこをにアンテナを立ててるから、チャレンジ精神があるんでしょうね」
「常に向上心を持つことって、そう簡単にできることじゃないですよ」
「疲れるまで毎日一生懸命がんばってるんですね」
「周りの人間関係を保つために、細かいところまで気を配っているんですね」
…などなど。
このように褒めていると、相手が自然と不満や愚痴をこぼしてきますよ。
11.不満・愚痴を引き出す
一つ…二つ…と不満や愚痴が出てくると、どんどんどんどん出てきます。
この不満や愚痴を有効活用するのがコールドリーディングです。
そして、不満・愚痴を引き出すと、相手はあなたのことを「味方」と認識してくれます。
こうなれば、あなたが優位な立場で会話を進めることができます。
12.さり気なく相手の弱点を指摘する
褒めたり不満・愚痴を聞いたりしていると、指摘できそうな弱点が出てきます。
「人から認められたい願望(承認欲求)が強いんだな〜」
「チャレンジ精神は豊富だけど、飽きっぽいんだな〜」
「気配り上手だけど、友だちに本音を言うのが怖いんだな〜」
などなど。
そして、的確に弱点を指摘することで、相手は「ちゃんと私の話を聞いてくれてるんだ」と、あなたことを信頼してくれます。
13.弱点をふまえた上で相手の才能を認める
弱点がある=伸びしろ、改善の余地があるということ。
また、弱点を克服するために、何かしらの努力を積み重ねてきたはず。例えば…
誰でも承認欲求はあるものだけど、周りから好かれるために日々努力してきたんだね〜。
いくつになっても向上心を持ち続けるのって、本当に大切だと思います。
1人でもいいから、何でも本音を話せる友だちがいると、もっともっと生きやすくなりますよ〜。
などなど。
同情ではなく共感するイメージですね。
まとめ
- 冷静さ・洞察力・観察力などが必須
- もちろん、相手から信頼してもらう必要もある
- 信頼してもらうには第一印象がとても重要
- 事前調査は不要だけど、あなた自身の準備は必要
- 「相手への気配り・優しさ」が大切
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